「ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)」を読んだ!

私の悪い癖で興味のあるテーマはあまり中身を確かめることなく即買いしてしまうことが多く、本書もその一冊となった。結果、タイトルから期待していた内容とは異なるものだったけど、日本の中で活躍するIT企業の歴史を知れたことはとても面白い内容だった。

本書はニコニコ動画を運営しているドワンゴと、その変則的な会社を支えてきた廃人・奇人・天才(?)たちの歴史である。大きく分けて次の3部構成になっている。

私はPCでゲームをやったことがあまりなく、携帯で遊ぶ世代でもなかったのでドワンゴという会社がこのような遍歴をたどってきたことを初めて知った。いわゆるお堅い日本企業とは違う、雑草のように生えてはしぶとく育ち、いまや名前の知れた一企業になるまでの遍歴、特にその人物像には深く興味を持つことができる。いわゆる一般社会からみれば廃人と呼ばれてしまうような人たちが作ってしまったミラクルがこの会社にはつまっていた。そこには好きなことに死ぬ気で取り込む人たちの悩みとブレイクスルーが繰り返されていた。

やや風呂敷を広げて話をすると、日本という社会はこの廃人の中に潜むダイアの原石をみすみす潰してしまうところだなぁ、と感じる。画一的なシステムでしか評価されない教育、そのシステムに順応できず自信が持てるものが見つからなくなると行き場がなくなる。昔だったら不良となっていたかもしれないが、今はPCやネットの空間に助けを求める。

そうした行き詰った人たちを生かす、創生期のドワンゴのような企業がもっと増やせれば、個人にも社会にとってもハッピーなのではないかと思うのだが。